
ハンコには様々なサイズが存在します。それは何故か考えた事はありますか?実は用途や誰が使用するのかによってサイズが変わってくるのです。もちろん、絶対にこのサイズでないといけないというような場面はありませんが、ハンコを新しく購入したり作る際は、一般的なマナーとして、必要に応じたサイズのハンコを準備する方がいいですよね。
今回はハンコのサイズの違いについてお伝えします。
ハンコのサイズについて
多くの役所では、実印として登録できるハンコのサイズは直径が8ミリから25ミリのハンコと決められています。その為、ハンコを販売、作成しているお店では直径8ミリから25ミリと細いものから太いものまで様々なサイズのハンコが取り扱われています。
しかし、そのなかでも一般的によく使われているハンコのサイズは、直径10.5ミリ・12ミリ・13.5ミリ・15ミリ・16.5ミリ・18ミリの6種類のサイズです。
この6種類のサイズのハンコはどんな用途で使い分けられているのでしょうか。
ハンコの用途
ハンコを使う際の用途・場面は大きく分けて3種類あります。それが、実印・銀行印・認印です。個人用のハンコの場合通常は、実印が最も大きく、次に銀行印、そして認印の順番で小さいサイズとなる場合が一般的です。ハンコのサイズの違いには様々な意味がありますが、用途によってサイズが違うのは、ハンコの重要度によってサイズを変えて、見分けやすくする為という意味もあります。
実印の場合
実印とは市区町村役所へ印鑑登録を済ませ印鑑証明を受けた印章(ハンコ)を「実印」と呼びます。印鑑登録をおこなった「実印」は、一人に1本のみ認められ、金融機関とのローンや、借り入れの契約・土地や建物の売買契約・会社設立・その他公文書作成などに使用するとても重要な役割を果たす法的な効力を持ったハンコです。
したがって、実印はどっしりと力強い印象を与える太めのサイズが選ばれやすく、男性用だと直径16.5ミリか18ミリのサイズが一般的で女性用だと13.5ミリもしくは15ミリで作られることが多いです。参照元-はんこ
また実印は、繁栄や成功の願掛けとしてサイズを大きくする慣習もあります。
銀行印の場合
銀行印とは、金融機関との契約など金銭に関わること全般に使うのが銀行印です。実印の様に一人に1本のみのハンコという訳ではなく、口座を開設する際など金融機関との契約時に自分が使用し、金融機関に登録したハンコを銀行印と呼びます。
したがって、金融機関別に違うハンコを登録している場合は、銀行印を複数本持っているという方もいるでしょう。銀行印は実印より小さく、後程出てくる認印よりは一回り大きいサイズのものが一般的です。これは銀行印と認印を見分ける為とされています。
銀行印の一般的なサイズは、男性は13.5ミリまたは15ミリ、女性は12ミリです。それぞれが丁度持ちやすいサイズとして選ばれています。
認印の場合
認印とは、実印や銀行印とは違い、公的な登録の必要がないハンコのことです。仕事で書類の確認の際や家庭での宅配便の受け取りや簡単な契約書、届出書などで使うハンコで、使用頻度が一番多く馴染みがあり、一般的にハンコといえばこの認印を想像する方が多いでしょう。
認印は主に意思確認や承認などの意味がありますが、法的な効力はありません。また、法律や条例で定められた定義などもない為、サイズや書体などの規格も基本的には自由です。実印や銀行印は印面の縁が欠けていると使用出来ませんが、認印は縁が欠けていても使用できます。
男性は直径12ミリか13.5ミリ、女性は直径10.5ミリか12ミリを選ぶ事を進められる場合が多いようですが、現在は認印としてシャチハタ印という朱肉を使わず押せるスタンプ式の浸透印が大量生産されて一般的に使用されている為、ほぼ同じサイズのハンコを多くの方が使用していることになります。
しかし、認印はサイズや書体が自由な為、個性的なものやオシャレにこだわったものなど、種類としては一番多いハンコだとも言えるでしょう。
誰が使うハンコなのか
ハンコのサイズは誰が使うのかによっても異なってきます。一般的に女性用のハンコは男性用よりもひとまわり小さめが選ばれる傾向にあります。性別によってハンコのサイズが変わるというのは、絶対的なルールというわけではありません。
しかし、手の大きい男性は太いサイズのハンコを好み、手の小さな女性は男性よりも細いサイズのハンコを好むというのは、実際にハンコを使用する際の押しやすさから考えると自然です。しかし、現代では性別というよりは使う方の手の大きさや使いやすさによって、選ぶハンコのサイズが変わってくると考える方が自然でしょう。
また、認印は会社でもよく使用するハンコです。その為、社内での立場や役職を考えてサイズを選ぶという風習が残っている会社もあります。一般的に上司よりサイズの大きい認印を使っていると、失礼にあたると捉えられることもある為、これから認印を準備する方は自分の立場に合わせたハンコのサイズを選ぶ事も必要でしょう。
部下がいる管理職の方の場合は、サイズが大きい認印を用意しても良いかもしれません。
ちなみに訂正印とは
訂正印とは記入した文字の誤りを『誰がどのように』訂正、削除、追加したのかを明確にする場合に使用するハンコです。訂正印は認印と同じで公的な登録の必要がなく、サイズや書体、そして形状についても規定はありません。
したがって、認印との違いはほぼ無いのですが、訂正印は一般的に訂正箇所のスペースの問題で直径6ミリ前後の小さいサイズのものが使いやすく、また多く使われている為、直径6ミリ前後の小さいサイズのハンコが訂正印と呼ばれています。
しかし、サイズに規定はない為、誤字脱字の訂正を一般的なサイズの認印を押して行った場合も、それは訂正印と呼ぶ事が出来ますし、訂正印として使用することも出来ます。反対に、小さいサイズのハンコを認印として、会社の書類の確認や家に届いた宅配便の受領の際に認印として使用しても問題はありません。
認印と訂正印は自分の使いやすさに合わせて、自分で決める事が出来るのです。
用途に応じて自分に合ったハンコのサイズを選びましょう
上記のように、ハンコは用途や誰が使うのかによってサイズが変わってきます。今まではハンコのサイズを気にしていなかった方やいつどのようなハンコを使えばいいのか迷っていた方も、これからは用途を考えて自分に合ったサイズのハンコを準備して使用してみて下さい。
その中で自分らしさを出せるハンコや、自分好みのハンコに出会えると、ハンコを使うのがより一層楽しくなることでしょう。